【合格体験記】本番前用の手控え ~本番前の準備と本番中の思考の橋渡し~

1 はじめに

今回は、私が作成した本番前用の手控えをアップします。

これまで、(ⅰ):「~普段の勉強方針~」として本番前にどのような準備・演習をするべきか、また、(ⅱ):出題趣旨を外さないために「~本番中考えること~」、について記事を書いてきました。これは、(ⅰ)が事前に準備すべき事項であり、(ⅱ)が本番中に思考・実行すべき事項といえます。

今回の手控えは、私が(ⅰ)の普段の勉強の際に、過去問演習などをするに際して気をつけておくべきだなと考えるに至った点、及び、(ⅱ)本番中にどのようなことを考えるべきなのかについて、過去問演習を通じて得た各科目毎の留意点や思考枠組みをメモしたものです(★この手控えは、各種文献、出題趣旨や採点実感などの資料に基づいて作成されています。)。

ですので、以下の手控えは、上記(ⅰ)及び(ⅱ)の橋渡しというべき位置づけになります。私は、この手控えを印刷して、司法試験の休憩中や直前期のスキマ時間に目を通していました。

本番前用の手控えは、自らの普段の過去問演習等を踏まえて、自分自身で作成することが有益だと思います。私の手控えが、読んでいただいた方の手控え作成の参考になれば幸いです。

なお、私の手控えは、作成してからだいぶ時間が経っており、また、あくまでも一受験生の作成したメモにすぎないので、内容の正確性については十分に吟味していただき、批判的な目で読んでいただけると幸いです。

2 手控え

【全科目に共通すること】
・ 試験開始前に、①問題の頁数を確認して②例年の問題頁数と比較。試験開始と同時に、③配点比率と④設問とその数の確認。
・ 党派的な主張を求める設問。中立的な問いの設問に注意。
・ 答案でここは必ず書くところは必ずメモること。ただし、あくまでメモである。いくら答案構成に細かく書いても、答案に書かなければ点にならない。
・ 自分が本問の当事者であったらどこに不満を持つのか考える。想像力。
・ 問題文に、主体・客体が複数でてきたら個々に検討する意識を持つこと[1]。
・ 条文はできるだけ指摘。要件の指摘は「」で文言を抜いて条数項号・前後段を指摘。要件以外はどうせ時間がないので「」は不要。
・ 当然のことも一言指摘すること!①原則⇒例外。②明文がないことの指摘。特に民訴。
・ 前提問題でまごつかないこと。すぐに本題へ。これが分かっているアピールに繋がる。
・ 短文・単文・淡文。最初からトップスピードで書くこと。
・ 事実と評価はできる限り分ける。評価は趣旨に照らして考える。
・ 設問1で書きすぎないこと。答案構成も同様であり、最初は簡潔に問題となる条文・周りが書きそうな典型論点の有無・重要な事実とその評価・結論の方向性、くらいにとどめる。
・ 構成は最悪でも45分間。それ以降は必ず書き始めること。自分が分からなければ、他の受験生も分からない。
・ 規範的要件は「評価」が必要。次の6つの視点が有益。なお、基準時に注意すること!
①:比較対象を設定して比べる(類似事実が問題文にあることが多い。ないときてでも考えてみると有益)。
②:時間・場所・数量・質に着目して切り取ってみる(ある観点に着目してとどうだろうかと考える。 イイトコどりとは異なる)。
③:当事者にとっての受け取れ方(当事者からみるとその事実はどう見えるのか。当事者目線で考える。ex. 当事者の属性、ポリシーなど)。
④:相手の主張の論拠に着目する(問題文に要件解釈や事実評価といった反論が書いてあることが ある。そうは言っても…と反論する視点)。
⑤:対義語を意識する(厳密な対義語でなくてもいい。ex. 政治的目的⇔学問的目的)。
⑥:事実の積み重ねの意識(Aという事実がある/ない⇒だからなんなのか(so what)/どうしてそうなのか(so why))。

【知的財産法】
《総論》
・ 設問の聞き方に注意。差止請求できるか(差止のみ)/どのような請求ができるか(知財上の請求のみならず709条等民法上の請求も問われているのか)/どのような主張をすべきか(党派的)/請求は認められるか(中立的)/著作権か人格権か両方か…など。
・ 条文は指摘したもの勝ち。関連条文はあげるだけあげること。
・ 事実が確定できないときは場合分けが求められることを頭の片隅に入れておくこと(ex.専用実施権 設定登録の有無(981二))。
・ 事案の精確な分析、各要件検討が肝要。以下、事案分析に役立つ視点。

《特許法》
●差止請求
・ 100①→68本or77②①、701、2③各号、104
↪100②→侵害の行為を組成した物の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却、物を生産する方法 の発明を侵害する行為により生じた物の廃棄 ・直接侵害、均等侵害(「特許発明の技術的範囲」(70①)に含まれる)、間接侵害(101各号)、均等的間接侵害(注射針事件)

●不法行為に基づく損害賠償請求
・ 単独不法行為(民法709)、共同不法行為(民法719①or②)、慰謝料(民法710)
↪被侵害利益→特許権or発明者名誉権(∵26→国際条約に規定あり、36①一、66③三など)
↪推定→102①②③、103、104/救済→105の3

●抗弁など 35①、69①②③、79①、無効の抗弁←訂正の再抗弁、消尽←新たに製造、並行輸入の抗弁

●メリヤス・バレル
・ 共同審判の場合。審取訴訟も行訴→特許法に「特別の定め」がないので(行訴1)、必要的共同訴訟かが問題となる(行訴7、民訴40①)。
・ 審取訴訟も行訴→行訴33①→拘束力の趣旨(取消訴訟の既判力は違法とされた処分を取消す部 分のみなので蒸し返し防止のために理由中に拘束力を認めた)→拘束力=理由中に拘束力を認める特殊な効力→その範囲が明文なく問題になる。

《著作権法》
・ 問題文から著作物を拾え。2①一→101各号。この際に1つの著作物に2つ以上の性質があり得ることに注意。また、11、12、12の2 ・各著作物の著作者は誰か。なお、14の推定。共同著作、職務著作、映画の著作者。
・ 著作権の移転の有無。映画制作者など(29①②③)、著作権譲渡(61①←61②) ・各著作物の関係→原作品、複製物、原著作物とn次的著作物 ・侵害行為の特定→枝分権無断利用行為、人格権侵害行為(!氏名表示)、みなし侵害(!113① 一・二、113⑥、49)。なお、出所明示義務違反(48)は別もの。

・ 特に忘れやすい権利制限→38各項、43各号、47の10
・ 著作権侵害→権利制限→50→人格権侵害→権利制限という流れ。

・ 人格権侵害の場合は115に注意!
↪死んだ場合:一身専属(59)で相続なし(民法896但)も、遺族がいる(116①)→60+112 各項or60+115。

・ 侵害主体論が聞かれた場合。原則は物理的に侵害行為する者。例外として「侵害する者」 (112①)の規範的解釈の必要性を一言(∵各ユーザーをいちいち叩くのは煩雑にすぎサービス提供者を叩くことで一発で侵害行為の撲滅が可能となる)。カラオケ法理にも触れる。ロッカークラウド。

【憲法】
《一般論》
・ →原告:重要な人権、重大な制約⇒厳しい審査基準or合憲限定解釈
→国側:たいしたことない人権、たいしたことない制約、立法or行政裁量⇒緩やかな審査基準or文言解釈や要件効果裁量。できれば審査基準確定後の事実評価レベルでも反論を出したい。
→私見:原告の人権と、公益or第三者の人権の対立点を見極め、調整する視点。

・ 審査基準前の段階では、一般論な人権の重要性→本件での原告の自由の重要性を書く。説得力を出すうえでは後者が大事[2]。
・ 規制目的や事前事後、内容着目の認定忘れずに!

《財産権》
・ 審査密度を上げる「事の性質」→①財産権の本質ないしベースラインからの乖離、②既得権侵害(∵人の効率的な経済活動は財産権の内容を変更されないことを前提に行われているいるため予測可能性を大きく害する[3])、③自律的・自己責任的生活ないし人格的発展の基盤の侵害。
・ 上記①ないし③以外の場合は、「公共の福祉に適合」(29条2項)するものか否かという緩やかな客観法的審査に入る[4]。
・ 規制が合憲なら損失補償(29条3項)の検討。①直接請求の可否、②補償の要否の基準、③「正当な補償」(29条3項)の内容、④補償の時期、⑤各問題につての本件の検討。

《平等権》
・ ①:誰と誰が区別されているのか。②:どのような「事由」に基づく区別なのか。③:「事由」は後列挙事由か、後段列挙事由は特別意味か。④:区別によりどのような「負担」を課しているのか、それは重大か(スティグマ含む)。⑤:違憲審査基準定立。⑥:①の目的ないし根拠は重要か…な目的は隠れていないか。⑦:⑥の①を達成する手段としての適合性(手段・程度審査、比例原則)、⑧:①が違憲とされた場合には救済の問題(=給付要件を部分違憲とすることは立法権侵害とならないか?)。⇒原則NG。ただ、あ)当該法令の規定の仕方、い)立法趣旨、う)立法経緯や立法者意思、え)救済の必要性などを総合して、「立法者が既に第一次判断権を行使し、立法者が本来有していた広範な裁量が著しく減縮した場合」には、例外的にOK[5]。

《教育権》
・ ストックすべき言葉と論述過程。
①:子どもは成長の過程において他からの影響によって大きく左右される可逆性を持つ。出発点しての、子どもの学習権(=子どもの、その学習要求を充足するための教育自己に施すことを大人一般に対して要求する権利)の指摘。
②:子どもの学習権のため、大人はどのような教育権を有するのか、大人たちの役割分担が問題となる(教育権の所在)⇒国民教育権説も国家教育権説も極端かつ一方的であり妥当でない。大人たちは子どものために一致協力すべき。
③:教師に完全な教授の自由はない(∵ⅰ大学教育の場合に学生には一応教授内容の批判能力があるが、普通教育の場合には児童生徒に批判能力がなく影響を受け易い、ⅱ普通教育では子ども側に学校や教師を選択する余地に乏しく、全国的に教育の機会均等をはかる必要がある)。
⇒子どもの教育は教師と子どもの直接の人格的接触を通じてされるという本質的要請に照らして、教授の具体的内容・方法につき一定の裁量がある。
④:親は、子どもに対する自然的関係により子どもの将来に対して深い関心と責任がある。
⇒主として学校以外における教育や学校選択の自由を有する。
⑤:③④以外の領域につき、国には、国政の一部として適切な教育政策を樹立し、教育機会の均等や教育水準を決定する権能を有する。
⇒誤った知識・特定の見解の教育強制と結びつくような子どもの人格的成長の妨げは許されないが、必要かつ相当な範囲で教育内容を決定できる(大綱基準)。

・ 国の行為が問題となるときは「不当な支配」(教育基本法10条1項)の解釈として、上記①ないし⑤を展開。上記⑤が規範。
・ 私立の小中高の行為が問題となるときは、部分社会論(一言で否定)・私人間効力(一般条項と受忍限度論)・私学の裁量(校風)・上記①ないし④の指摘。私見は裁量審査などを書く。

《生存権》
・ 二重の未確定=①抽象的権利にすぎない、②「健康で文化的な最低限度の生活」(25条1項)の文言は抽象的な相対的概念。また、専門性=多数の不確定的要素(文化的経済的社会的条件、国民の状況、財政事情)を総合考慮してはじめて決定できる。⇒広範な立法裁量。
・ 裁量を絞る手法。①1項2項分離論=1項は救貧つまり生活保護、2項は防貧つまり生活保護以外の施策と割り切り、1項は裁量を狭める。②平等原則(立法裁量縮減型審査)。③制度後退論=一旦定めた基準は「健康で文化的な最低限度の生活」(25条1項)とされて定めたのだから、それを後退させることは最低限度の生活水準を下回る蓋然性が高いとして審査密度を上げる考え方(客観的アプローチ・判断過程統制審査)。
・ 生存権を具体化した立法を違憲にすると原告は救済されないので、不支給を適用違憲とするパターンが多い。
・ 平等権も同時に問題となることが多いので注意!

【行政法】
《一般論》
・ 誘導にのること!要検討項目と検討不要項目の峻別。検討項目のうち、詳細にor丁寧に検討することが求められているもののチェック。これと配点比率に着目して分量を決定。

《原告適格》
・ 論述過程。
①:第三者の原告適格の一般論(論証を展開)。9条2項の指摘。
②:原告の具体的利益の特定。
③:処分の根拠法令の確認。
④:1条や他の規定を指摘して③の趣旨を認定(具体的利益性の認定)。また、法は原告の具体的利益を保護するとまでは明確にしていないのであれば、その指摘[6](だからこそ次の⑤が問題になる)。
⑤:原告の受ける利益の内容・性質ないし不利益の内容・性質や題される態様・程度の評価(個別的利益性の認定)。
⑥:直接的被害を受けるおそれある者に原告適格があるとの指摘。
⑦:あてはめ。
⑧:結論。

《本案の主張》
・ 実体法上の違法事由と手続法上の違法事由に分けて考える。両方問題になるなら見出しを付ける。
・ 実体法上の違法事由の検討の際は、三段論法を丁寧にふむこと。
①:処分の根拠法令の確認と要件の確認(違法事由が複数あるときは問題となる法の条文を見出しにつける)。
②:問題となる要件の指摘。
③:その趣旨を考えて指摘・規範定立。
④:事実を抜き書きする。それを一歩踏み込んで自分の言葉でなぜ適法or違法と評価されるのか説明する[7](あてはめ)。
⑤結論。
・ 設問で、前段が「○○は適法か。」、後段が「適法とする法律論」と「違法とする法律論」として「考えられるものを示して答えなさい。」という場合[8]。
⇒上記③の部分で、ⅰ適法とする法律論と違法とする法律論を併記し、ⅱ私見を示す[9]。ⅰとⅱの塩梅は、憲法の様にⅰは簡易に、ⅱでいずれに与するのか結論を書き、その理由を示し、あてはめ、結論[10]。

・ 手続法上の違法が問題となる場合。
⇒ⅰ手続の根幹となるような重大な手続違反があるか、またはⅱ適法な手続をしていれば処分の内容が変わり得る場合に、手続違反も取消事由をとなると考える(∵手続に違法があっても実体法上の違法を招来するとは限らない、また、軽微な手続違反を直ちに取消事由としても同一処分がやり直される可能性が高く紛争の一回的解決にもとる)[11]

【民法】
《一般論》
・ 実体法は「要件」⇒「効果」という仕組みになっているから、当事者ならどのような効果を欲するのかを想像し、要件を提示してあてはめる、これをやればOK。争点となりそうなところは丁寧に法的三段論法をふみ、争いのないところは事実→定義→といえるから要件(不)充足と一言で言い切る。
・ 効果を想像・特定する際には、物が欲しいのかお金が欲しいのか、請求権は物権か債権か、法定か約定か、のいずれか・複数・全部といったところを軸に考える。
・ 争点では、条文の文言引用→趣旨→定義or規範→事実の引用→趣旨に照らした評価→定義・規範(不)充足の認定。※なお、主要事実が問題文にあれば、[12]争点でも事実の評価は不要。民事系で評価を要するのは、規範的要件(抽象的要件)の認定が争点となる場合。
・ 受験生の中間層の識別は、①特定の要件の枠で事実を指摘していることを明確にすること(事実と要件の関連性)、②争点となる規範的要件では評価を加えること、の①②の出来で区別される[13]。
・ 争点でなければ、事実・定義or規範・条文の文言、を順に一言でごちゃ混ぜに言い切る。
・ 全要件を検討し、結論としての効果の(不)発生(請求の可否)を書く。

《判例の射程が聞かれたとき》
①:【参考】判例の事案におけるどのような特徴が判旨の示すルールの前提となっているのかを論理的に明らかにし、②:その特徴がどのように変化すれば、ルールがどのように変化するのかを明らかにしなければならない。③その上で、本問の事案においては、どのようなルールが適用されることの結果として、Gの主張に沿う結論となるものであるか、を示す必要がある。

【会社法】
・ 会社法は、とにかく時間との勝負。主要な論点の一つや二つが欠けていても「優秀な答案」となる[14]。
・ 時系列で事案の整理。特に株主や役員の変動(※1人会社や株主全員の同意などの場面で注意)。
・ 全科目で条文は大事だが、会社法では条文をできるだけ指摘すること。特に2条の定義は可能な限り指摘。
・ 無効の訴え(828条)では「訴えをもってのみ」主張できることの指摘。
・ 仮地位仮処分の指摘(民事保全法23条2項)。
・ 例年、株主総会決議の取消事由は複数あるので疑うこと。取消事由は831条各号のどれにあたるかを正確に指摘。
・ 役員等の任務懈怠が争点となるときは、善管注意義務違反(330条・民法644条)や忠実義務(355条)違反をしっかり認定。経営判断原則(※適用場面に注意)。予見可能性(信頼の原則)・回避可能性(監督是正権限を指摘)。因果関係(名目的取締役やワンマン社長事例)。
・ 「重大な過失」(429条1項など)=「注意義務違反の程度が顕著である場合をいい、著しい注意義務違反というためには、結果の予見が可能であり、かつ、容易であること、結果の回避が可能であり、かつ、容易であることが要件となる」[15]。

【民事訴訟法(※民法にも応用できる部分あり)】
・ 訴訟物を意識すること。とくに、物権的請求・債権的請求。
・ 要件事実を常に意識すること。とくに弁論主義が聞かれたときは、構成段階で簡単にブロックダイアグラムを書くくらいの勢いで。
・ 問題文は全て読むこと(※とくに知ってる判例が引用されたとき!)。誘導にも細心の注意を。
・ 設問で事実が意味を持つか・どのような意味か・理由を聞かれた場合。①:意味がある。②:①の理由(=特定の主要事実と関係する)。③:主要事実(評価根拠事実・評価障害事実を含む)or間接事実として意味がある。④:③の理由(=主要事実なら評価してあてはめ、間接事実ならある主要事実を推認させると評価)。※要件判断の基準時との関係で意味の有無が変わるので注意すること。また、複数の事実があれば比較してみること。
・ 設問で要件事実を聞かれた場合は、問題文の具体的に沿って書く必要がある。

【刑法】
・ 自分が検察官だと思って、重い罪から検討する。
・ 争点となる要件は丁寧に三段論法をふむ。解釈は「文言」→保護法益→定義or規範。あてはめは、事実抽出→評価→要件(不)充足の認定[16]。
・ 争いのない部分は、事実→定義or規範といえるから→「文言」にあたる、と一色短に一言で言い切る。
・ 争点かどうかは、問題文で与えられている事実の多少で判断する。重大な法益侵害行為については、論点が潜んでいると思うこと!
・ 問題文のナンバリング(項)が少ないときは、行為の一体性論を疑うこと。
・ 刑法のメイン争点は、H25ないしH22では3〜4つ[17]。

【刑事訴訟法】
《捜査》
・ 必ず、強制処分該当性⇒任意処分としての許容性、の2段階で考える。
・ 規範・法律論にこだわらないこと。事実の抜き書きと評価で勝負。時間が絶対足りないので、捜査法は書きすぎないこと。手を抜け!!

《伝聞証拠》
・ 論述過程。
①:320条1項で原則証拠能力がない「証拠」の意義・理由。
②:立証趣旨(規則189条1項)の指摘。
③:直接証拠か状況証拠かの指摘(証拠構造の指摘)。
④:要証事実の認定(立証趣旨に意味があればそれが要証事実。およそ無意味であれば実質的な要証事実を考える)。
⑤:④との関係で原供述の内容を立証するのか、存在で足りるのかの認定(伝聞非伝聞の認定)。
⑥:伝聞の場合。精神供述ではないか(伝聞適用外の認定)。
⑦:伝聞例外の検討(原供述者死亡など供述不能といった事実から逆算)。
⑧:再伝聞の場合。「公判期日における供述に代え」られることになるから(320条1項)、324条○項を類推することにより321条or322条の伝聞例外をさらに満たせば、証拠能力が認められ得る。
⑨:再伝聞例外の検討。
⑩:結論。

《違法収集証拠排除法則》
・ 違法に収集された証拠も証拠価値は変わらないことの指摘。1条と憲法31条、司法の廉潔性から規範定立。
・ 前提捜査に違法がある場合。①:前提捜査→捜査なら同一目的直接利用⇒違法を承継し違法収集証拠排除法則の適用。②:ⅰ前提捜査→証拠/ⅱ証拠→証拠なら毒樹の果実⇒前提捜査と密接に関連する第一次証拠に違法収集証拠排除法則の適用→第一次証拠と密接に関連する証拠の排除(∵第一次証拠を排除しただけでは違法捜査の抑制を達成できない。ア)違法の重大性、イ)事案の性質、ウ)第一次証拠or派生証拠の証拠価値)、エ)因果性の濃淡(希釈化の法理・不可避発見の法理・善意の発見)などを考慮)。

[1] ex.H24憲法の公金支出の項目など
[2] cf.H25採点実感2頁
[3] cf.憲法の急所188頁
[4] cf.判プラ証取法事件解説
[5] cf.考慮要素は判タ1267号92頁以下、規範は小山作法(新版)232頁を合わせたもの
[6] cf.H23出題趣旨2頁
[7] cf.H25採点実感7頁
[8] cf.H24・25から本案の設問はこの形式
[9] cf.H24採点実感7頁、H25採点実感7頁
[10] cf.H25辰巳論文合格答案再現集A氏答案
[11] cf.H25本試験1位の人の辰巳全国模試答案行政法
[12] cf.H25出題趣旨5頁
[13] cf.H21民事系ヒアリング3〜4頁(民法)を読んだうえでの私見
[14] cf.H25採点実感18頁。例年同様の指摘あり。
[15] cf.東高判H25・7・24
[16] cf.辰巳・すべらない三段論法の書き方(基礎編)
[17] cf.H22ないし25の各採点実感

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